また逢う日まで初稿版 First grade April

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平和とは、なんと脆く儚いものか。

たった一つの出来事で、俺の平穏はすぐに崩れ去る。

例えば、いつもなるべく遠くに置いておきたい妹が今回も何故か隣を歩いていたり、金色と水色の幼なじみカップルと同じ学校に通うことになったり、しまいには同じ学校でも違うクラスなら少しくらいは平穏かなんてフラグを立てれば、見事に一番面倒な分け方で回収されちゃうわけで。

「俺の高校一年目は終わった気がする」

クラス分けの掲示板を見て、思わず呟いた。

「終わりましたねぇ、見事に。あなたの高校一年目」

同じくそれを見ていた妹の声は同情いっぱい。

カリナこと愛原華凜のクラスには問題児リアス、そして俺、レグナこと波風蓮のクラスには、決してやつから離してはいけないクリスティアがいる。何度見ても変わらない。

え、もうできれば不登校になりたいんだけど。

いや別にクリスティアが嫌なわけじゃないんだよ? むしろあいつの方が比較的おとなしいし居心地いいし、言うなれば被害者としては同志なわけで。俺が嫌なのはリアスが離れることでして。

クリスティアを失った悲しみから過保護度がどんどん増している親友は、今や彼女との同棲権を義理の親からもぎ取り、部屋も一緒で大げさじゃなくトイレ以外はすべて一緒にいるような男である。そんな心配性な男から彼女を離せばクリスティアはもちろんのこと、古い友人である俺たちにもその被害は及ぶ。特に俺。

クリスティアに連絡がつかなければ俺やカリナに鬼電やメサージュが入り、それをたまたま見なかったなんてことがあろうものならテレポートで飛んでくる。他にもいろいろ数知れず。今までどれだけ迷惑を被っただろうか。

加えていたずら好きのカリナもリアスと同じクラスときたもんだ。俺とクリスティアの平穏はほぼほぼない。

「俺すでに人生やり直したい」

「あと三年ありますから頑張ってください」

この先来るであろうトラブルを思い浮かべればそう言いたくなるわ。

「ほら、それに幸いこの学園は自由授業制です。HRさえ頑張ればその他はリアスが傍にいることができます。だから大丈夫ですよ!」

「お前他人事だからって……」

「私もサポートしますから!」

いやかわいくガッツポーズしてるけど正直お前のサポートが一番安心できない。トラブル九割くらい人為的に引き起こすだろ。その予想できる未来にため息を吐いて、歩き出す。

「とりあえず俺は今回平和に暮らしたいからお前らとは関わらない」

後でクリスティアにも言おうと思いながら、後ろをついてくるカリナにも言っておいた。

「そう言ってなんだかんだいつも関わってるじゃないですか」

「関わらざるを得ないんだろ」

「私にはあなたが好きこのんで関わっているように見えますが?」

散々巻き込まれてもう逃げることを諦めた結果だよ。

「とにかく、リアスにも言っとけよ! クリスティアの面倒は見ないって」

「伝えておきますわ、それとなく」

教室に入る前に念押しすれば、語尾にハートマークをつけるようにそれはそれはかわいらしい笑顔で返された。でもきゅんとなんてしない。あの笑みはぜってーなんか企んでる顔だ。

まぁとりあえずクリスティアに言えばいいだろうと教室に入り、彼女の前へ座っておはようと挨拶を交わす。小学校くらいに一回逢ったかくらいだったから「久しぶり」とか「元気だったか」とか、他愛ない会話を少しして、さぁ俺の平穏を手にするために本題に入ろうと口を開いた瞬間だった。

「レグナと一緒にいたら学校やめなくていいことになってるので一年間がんばろうね」

俺の平穏は先手を打ってた自称天使によって儚くも崩れ去ったのである。

『平和とは、儚いものである』/レグナ