また逢う日まで初稿版 First grade December

また逢う日まで関連作品頒布中!

イラスト本など、「また逢う日まで」をもっと楽しめる作品を頒布中です!
BOOTHにて頒布中です!


志貴零BOOTH



志貴零ご支援サービス

ご支援をいただけますとより充実した創作ができます。頂いたご支援は活動費を主に、志貴零の生活にあてさせていただきます。

pixiv FANBOX


志貴零のOFUSE箱

「それでは本日はこの前のアンケート結果とそれぞれが向かうテストの説明用紙を配る」
 レグナのこだわり抜いたマフラーと手袋が手元にやってきてごきげんの水曜日。
 今日は、十月に入ってすぐに配られたテストアンケートの結果発表の日。今回からは自分の好きなのを選んでよくて、リアス様が心配しちゃう人混みがない護衛テストはやめて。四人で一緒にとってる体育球技を第一希望に出してみた。その結果と、前は体育館でやった説明を紙にして配ってくれるんだって。
「以前話したとおり、休みだなんだと連絡漏れや伝達ミスがないようにここからは用紙で説明を行っている。わからないことがあれば説明用紙に書いてある担当教諭の場所へ質問に行くこと。いいな」
 みんながうなずいたのを確認して。
「それでは順番に配っていく。出席番号一番から」
 一人一人名前を呼び始めて、もりぶち先生の一言と一緒に一番の子から紙をもらってく。
 その光景を見ている間も、話を聞いてる間も。
「…♪」
 わたしの心は、とても弾んでる。
 だって十二月。うれしいことがいっぱいあるんだもの。
 誕生日、記念日、クリスマス。
 お祝いしてもらうことももちろんだけど、みんなで一緒なことがなによりもうれしい。
 きっと今年は今世でとってもすてきな誕生日なんだろうなって、想像するだけで無意識に足がぱたぱた動く。
「♪、♪」
 二十四日に集まって、お祝いしてもらって、クリスマスパーティーも一緒にやって。
 みんなでお話ししながらお泊まりして。そしたら、

「…サンタさん」

 みんなでサンタさんからプレゼントをもらうの。
 カリナも、レグナもリアス様も。いつも、運命のことでいっぱいいっぱい辛い思いもしてるから、その日だけは。
 好きなものもらって、いっぱい笑顔でパーティーする。
 一年でとってもとっても大事な日。
 あとわたしから渡すみんなへのプレゼントどうしようかな。
 カリナはかわいいお花のなにかがいいかもしれない。レグナは…ゲーム? リアス様はなにがいいんだろう。
 どうしよう、どんなのがいいかな。それを考えるだけでもわくわくする。
 あ、でもきっとこれ言ったらリアス様は「まず自分のプレゼントを考えろ」って言うと思うから先に自分のも考えておかなきゃ。
「…」
 でもいざ欲しいものって言われると意外と思いつかないよね。アルバムはゴールデンウィークのときにもらったし。
 おでかけは、リアス様は絶対却下だし。そもそもクリスマスは人が多いし貸し切りも難しいよねって昔レグナが言ってたからわたしから断りたい。
 じゃあ、お菓子? リアス様の検閲が大変そう。そしたら洋服…。でも洋服はレグナが作ってくれそうだよね。それにお菓子も、買わなくても作ってくれると思う。
 …なんだろう。
 しかもわたし誕生日プレゼントだけじゃなくてサンタさんからもらうプレゼントも考えなきゃいけない。大変じゃないか。
 わくわくしてたのがどんどん悩みになっていって、うんうんうなりながら考えてるとき。
「氷河」
「はぁい」
 名前を呼ばれたので、一回考えるのはやめて先生のとこへ。
 先生の机に行くと、ぱって紙が渡される。タイトルみたいなとこには、おっきな文字でわたしの名前。
 その下にある文字に先生が指をさす。
「氷河のテストは第一希望の体育球技だ」
「ん」
「こっちが説明用紙になる。きちんと読むように」
「はぁい」
 二枚の紙を渡されて、以上って言われたからその紙を持って自分の席に向かう。
 えーっとなんだっけ。
 頭の中を探っていって、席についたとこで答えが出る。
 プレゼントの話だ。
 先にサンタさんからのプレゼント決めなきゃいけないって話だよね。サンタさんに伝えなきゃいけないから。
 お義母さんとかもこの時期から結構聞いてたし──

 ──ん?

 前はお義母さんたちが言ってくれてたけど、今年は? 誰が言うの? 今お母さんもお父さんもフランスにいるし…あ、電話。電話でそのうち聞きに来るかもしれない。じゃあ大丈夫。
 とりあえずおっきいくつした用意して…
 ってまたわくわくしかけたところで、止まった。
「…」
 うん、待って?
 くつした用意するのはいいと思うの。電話でプレゼントこれがいいって伝えるのもいいと思うの。

 でもわたしは重大なことを忘れていた。

「蓮…」
「んー?」
 これはいけないと前に座るレグナの服を引っ張って、呼ぶ。
 どしたの、って言うレグナに、小さな声で。
「…今年、サンタさん来ないかもしれない…」
 そう言えば、レグナはびっくりした顔。
「は? なんで?」
「だって、」
 だってないんだもの。
 一番重要な、

「サンタさんの侵入ルートが、ない…」

 さっきよりも小さくこぼした言葉に。
「あーーーー……」
 レグナの顔が「やべぇ」ってなったように見えたのは、気のせいじゃないと思う。
 大好きな十二月、みんなが幸せになれるはずのクリスマス。
 けれど今年は。

 完璧すぎる過保護様によって、サンタさん追い出し案件…?

『サンタさん来ない!?(志貴零)』/クリスティア