「曲作りたいなぁ」
なんて親友が言うから、思わず一度止まって。
頭の中で言葉を整理してから、そいつを見た。
「……お前作曲とかする奴だったか?」
「やるタイプには見えない?」
あぁまぁわかるけども。
音楽自体は妹よりもできるし。
「ピアノとヴァイオリンなら今までの人生で右に出るものなしだったもんな」
「さすがに言いすぎ」
そうでもないだろうと言うのは心の中でだけ。
俺の親友はいろんなことができる。
頭もいいし、魔術だって俺と同じくらい持っていて、俺には扱えない闇魔術と光魔術を持っている。
言った通り音楽にも秀でており、本人はこうして自覚を持とうとしないが、スペックはかなり高い。きっとこいつが作る曲もいいものなんだろう。
「もう少し自信を持ってもいいと思うが」
「何の?」
「お前がいろいろできるという自信」
「俺よりもできるやつが親友なら、俺はまだ足りないでしょ」
「俺か、お前の自信を無くさせているのは」
「いやそういうわけじゃないけども」
ゲームに目を落としていたレグナは、一度んーとうなって。
「お前、俺よりもいろいろできるし。そのうえ謙虚じゃん?」
「そうか……?」
人並みにできるくらいだと思っているから、首を傾げる。それにレグナは笑って。
「俺は、そういうところ見習ってるだけだよ」
なんて言うから、キョトンとした。
見習う?
こいつが俺を?
「……見習うところなどないだろう」
「そういう謙虚なところ。かっこいいって思うから」
お前結構恥ずかしいこと言っているが自覚ないよな。普通に冷静な顔だもんな。
むずがゆさで目を泳がせていると。
「意外とお前、ヒトの手本になってるよ」
さらに追い打ちをかけるから。
「……勘弁してくれ……」
ついには熱くなってきた顔を隠すように、手で覆ってうつむいた。
『俺はそういう素直なところを見習いたい』/リアス