歩んできた日々に後悔はないけれど、たまに話し方だけ迷う

「せ、閃吏くんって、写真撮られ慣れてます、よね」

 そう言う雫来さんに、きょとんとした。

「え、そうかな?」

「は、はい。美織ちゃんも、祈童くんも、ですけど……二人は、お仕事柄もあると思うので」

『確かに、取材を受けたりなどありますものね』

『そういうのがない閃吏は、言われてみれば写真映りいいですっ』

「二人まで……」

「な、なにかきっかけというか、縁が、ありますか?」

「縁かぁ……」

 言われて、とりあえず思い返してみる。

 別に写真を撮られるような活動はしてなかった。美織ちゃんと行動してるから? なんて思ってみるけど、美織ちゃんだってそんな所かまわず写真撮られるわけじゃないし……。

 そもそも中学の終わりごろからの付き合いだし。

 写真。

 写真かぁ……。

 あぁでも、たしかによく撮ってたかもしれない。

 あれは――。

「……」

 そこまで思い至って、口を開きかけて。

 閉ざす。

「せ、閃吏くん?」

『とくにきっかけはありませんか?』

『自然とですかっ』

 そう言う三人に、ほんの少し止まって。

 思わず出たのは。

「そ、うだね。あとは親とか、そういうのかも!」

 なんて、嘘。

 そんな嘘に、そっかと納得してる彼らに、心を痛めつつも。

「……」

 女の子との付き合いが多くて、自然と写真を撮ることに慣れていったなんて、この純粋な三人には言えなくて。

「す、素敵な家庭なんですね!」

『アルバムも多いんですか?』

『見てみたいですっ!』

「あ、あはは……」

 きらきらと純粋なまなざしを向けてくる三人に、苦笑いしか返せなかった。

『歩んできた日々に後悔はないけれど、たまに話し方だけ迷う』/シオン

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