また逢う日まで

未来へ続く物語の記憶

愛のご褒美は、きっとつかの間

未来へ続く物語の記憶

立ち向かう勇気を持って、僕はまた剣を取る

十月十八日、水曜日。  わたしが、武闘会に出場する日。 《笑守人学園武闘会、第一リーグ。十月十八日の回の出場者はすみやかに演習場バトルステージへお越しください。繰り返します──》  まだ誰もいないスタジアムをぼんやりながめてたら、集まってっ...
未来へ続く物語の記憶

その一瞬のひとときのために、僕は勇気を振り絞る

盛り上がった文化祭を終え、振替休日で体を休め、またいつも通りの日常が始まる──。  かと思いきや。 「それでは、今月から行われる武闘会について説明していきますね~」  エシュト学園では、休む間もなく次の行事が行われるそうです。  我らが担任...
未来へ続く物語の記憶

君の勇気を、僕はいつだって愛してる

行事やイベント事の前後は、普段浅くしている眠りがもっと浅くなる。  行事前は、何が起こるかわからないという不安から。  行事後は、当日抑えていた不安や恐怖が溢れてくるように。  そうしてそういうときに限って。  嫌な夢ばかり見る。  気がつ...
僕らの思い出

ジューンブライド短編

カノジョと過ごした三百六十五日。  たった一度きりの、六月。  その、姿は。  きっと、ずっと。一生忘れない。 「ジューンブライドだってよ」  六月中旬、真っ昼間。  いつもの四人、授業を仲良くサボって歩く街中。夜になると着く街灯の一本一本...
また逢う日までの思い出

設定資料集

9月編
未来へ続く物語の記憶

この努力の先には、きっと笑顔だってあるはずだから

未来へ続く物語の記憶

この努力は、いつになったら報われますか

ベッドの上に座らされて、手よりもあったかいのが、わたしの指先に触れる。  いとおしそうに、「愛してる」って言わなくても、それだけで伝えてくるように。  王子様みたいにひざまずいたリアス様の唇が、爪に触れて、ほんの少し上がって、指に触れて。 ...
未来へ続く物語の記憶

努力の先にあるもの

「…」  九月六日、水曜日。五時間目はホームルーム。  席替えをして、時間の最後らへんに渡されたプリントに、目を落とす。  ”エシュト学園文化祭”  もりぶち先生のかわいい絵と一緒に描かれた文字。  文化祭の出し物アンケートのプリント。  ...
未来へ続く物語の記憶

わたしの世界には、あなただけいればいい

自分が”一番”にいない世界は、何千年ぶりなんだろう。 「…」 「炎上くん、これ見てくれる?」 「あぁ」 『ねぇサイズこれで合ってるかな?』 「着てみる」  遠くにいるのに、近くに聞こえる声。  目の前の看板をやっているはずなのに、どこかぼー...
未来へ続く物語の記憶

笑顔のために

「どうしましょうか」 「テーマは男子も入れるファンシーだったね」 「そうなのよー」  三連休を終えた火曜日。 「波風くんはどんなのだったら入りやすい?」 「えぇ、俺?」  向かいの道化に聞かれては考えてはみるけれど、正直ずっと妹やら隣の親友...
未来へ続く物語の記憶

この狂気は、きっと努力の賜物でもある

休み明けとはなんとも憂鬱なことか。 「……」  チャンネルを回せど回せど、出てくるものは新学期で会社だ学校だと外出を促す内容ばかり。 「……」  挙句の果てには。 《ハイゼル氏はこの度――》 「二度あることは三度あるみたいなものか……」 「...
未来へ続く物語の記憶

いつか来る別れの時に、寂しくないように

未来へ続く物語の記憶

いつかの君と、今度こそ笑い合えるように。

旅行を終え、交流武術会を終え。ばたばたとしていた気持ちもようやっと一段落した、八月最後の週。 「……」  涼しい室内。膝に少し体温の低い恋人が頭を乗せてさらに心地良いリビングで、手に持った小説のページをめくっていく。  文字に目を走らせてい...
未来へ続く物語の記憶

未来なんて、誰にもわからない

「ではこれでこの件はよろしいでしょうか?」 『すまねぇな嬢ちゃん!』 「助かります、ありがとうございます……!」  お礼と共に去っていくウサギのビーストと女性を見送り、息を吐く。  さて一段落しましたし私も帰りましょうかと、南地区へと続く通...
未来へ続く物語の記憶

この思い出をアルバムに詰めておこう

お昼に最後の遊泳を楽しみ、待ちに待った夜。 「さぁ、それではご説明から参りましょうか」  お風呂には入らず、私服にて月明かりでなんともロマンチックな浜辺へやって参りました。  目的はもちろん。 「この花火──光花火についてなんですけれども」...
未来へ続く物語の記憶

楽しさの中に、ときに悲しさも忍ばせて

愛しい恋人のためにと、包囲されたのもあるがなんとか頑張って頷いた旅行。  四日目にして、正直とても気が気じゃない。  来た日は車にはまぁ酔ったが別に問題なかった。この一週間は基本海やプール。濡れている肌は風呂で、水着は下着で見慣れているし、...
未来へ続く物語の記憶

この夏の日々は、きっとまた一瞬で

夏休みも中盤へとさしかかった八月十四日。まだまだ暑い日が続き、正直ゆっくりとしていたい中。 「……毎度の事だが山に篭もりにでも行くのか?」  蝉のビーストが主に求愛をするために鳴く外での第一声はそれしか出なかった。  だってそうだろう?  ...
未来へ続く物語の記憶

これは、彼らを知る物語

未来へ続く物語の記憶

離れていても、”君がいたら”と想う

「…」 「……言っていた割には元気そうじゃないか?」 「…うん」  夏まっただ中の笑守人学園。恋人様と、花壇の前で二人して首を傾げる。  カリナとレグナがフランスに行って、ちょっと。  夏だからなるべくこまめにお水上げなきゃってことで、二人...