クリスティアに物語を聞かせてもらう

怒りをすべて飲み込んで、手に入れたかった日々

「炎上は沸点高いよな」 落ちてきた言葉に、上を見上げる。そこには帽子をかぶった祈童。 その言葉に頷く前に。「いいのか、向こうは」「あぁ。体力が持たない」 笑ってやって、隣に座ることを許す。 目の前のクリスティアが「見てー」と砂の城の進捗を見...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

未来へ続く物語の記憶 October-I

「…」 あったかい温度を背中に感じながら、目の前の紙とにらめっこ。 文字を辿るリアス様の指を目で追って行って、ついでに紙に書かれた文字も追ってく。 そうして、真ん中らへんにある表のところまで行ったところで、上からやさしい声。「わかったか」 ...
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未来へ続く物語の記憶 September-VII

文化祭2日目顔がもう見たくなさそう双子ちゃんは午前、非番の雪巴、閃吏、ティノ、ウリオスを含めた六人で回ることに。ティノ愛原サンたちはスタンプラリーやんないのー?レグナいやぁ……カリナ散々見てきましたので……シオン顔が……ウリオスおもしろかっ...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

未来へ続く物語の記憶 September-VI

文化祭1日目エイリィ来た……! やっと来れたよセフィル……! ブンカサイっ!!セフィル長かったねエイリィエイリィ楽しみだったよっ! 今日は心おきなくクリスティアたちと遊べるねっ! パパから日本語が聞こえるイヤホンももらったし!セフィルおかげ...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

できるなら四人で、この先も共に歩いていきたい。これまでのように、支え合って

「んー」 うなった声に、目を声の方向に向けた。「んー……?」 その声は無意識に出しているんだろう。特別こちらに助けを求めるでもなく、顔もこちらを向くことはなく。 ただただ、目の前のことに無意識に出している声。 けれど一度目を向ければ、困って...
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未来へ続く物語の記憶 September-V

文化祭準備中いくらでも買いそうティノ氷河サンどういうもの売りたい? 参考に!クリスティア…。…! 華凜が喜ぶやつ!ティノわー、いい――。……!ティノあれ、これ氷河サン置いとけば一番いいのでは?一緒にパズルしてる閃吏と交互に当てはめてくちょっ...
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未来へ続く物語の記憶 September-IV

おかしいと思うんですよ。 そう、目の前のお方をにらむ。きっと私の目を見れば言いたいことわかると思うんですが、よければ口からも出しましょうか。「おかしいと思うんですよ」「口に出していただかなくてもわかりますよ」 けれど不満げに言っても、目の前...
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未来へ続く物語の記憶 September-III

私が告げた言葉にぱちぱちと目を瞬かせるかわいらしい親友に、ほんのり微笑む。 けれど決して瞳をそらさぬまま。「…」 まるで何かを見定めているようにも見えるクリスティアの目と見つめあって、数秒。「…いっしょ、登下校…できない…?」 理解をして、...
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未来へ続く物語の記憶 September-II

昼休みが終わりに近づいてる水曜日のHR前。 前回送ったメッセージに未だ既読が付かないのを確認して。「炎上くんの顔が日々死にそうなのだけど」 まだざわざわする教室内で聞こえた道化の声に、アシリアさんとのメサージュを閉じて顔を上げた。 口は笑っ...
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たくさんの幸せを一緒に経験して、君といつか

「一日があっという間なんだよね~」 そう言う親友の言い方が、ものすごく残念そうで。うたた寝しそうな陽気の中、なんとか目を開けて隣の親友を見た。 その親友はときどき色が変わる爪をいじりながら、それ以降黙る。それに、数回眠気を覚ますよう瞬きをし...
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未来へ続く物語の記憶 September-I

月の始めに土日が入ったから、ほんのちょっとだけ長かった夏休みが終わって。 九月。 今月は、文化祭。きっとエイリィとセフィルも来て、去年よりももっとわくわくな文化祭が来る月。 でも、そのわくわくの前に。「わたしはきっと負けてしまう…」「が、頑...
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未来へ続く物語の記憶 August-VII

肝試し!チェックは問題ないということでやって来ました祈童家ユーア日本のお屋敷ですっ結おおげさだよ。日本家屋というなら木乃先輩や蛇璃亜の方がすごいんじゃないか?武煉うちもたいして広くないですよルクぼくも……ティノここお金持ちしかいないなぁ……...
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未来へ続く物語の記憶 August-VI

ポンっとスマホの通知音が鳴る。 膝の上で本を読んでいるクリスティアを抱えつつ、自分で読んでいた本は置いてスマホを取った。 画面を開けばメサージュが入っていて、送り主は祈童。「写真を送信しました」というポップアップをタップし、ロックを解除して...
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未来へ続く物語の記憶 August-V

夏休みのメインとも言えるエシュトの行事・交流武術会を終え、今年の夏も終わりへと差し掛かってきた、八月最後の日曜日。 我々双子は今日も今日とてクリスティアとリアスのお宅にお邪魔させていただいており。「合ったー」「だいぶ仕上がってきましたねぇ」...
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そのあとしっかり叱られた

「なんか戻り気味だね」 親友の言葉に、そちらを見ることはなかった。見るのは、愛しい恋人。 少女のような恋人は、ぼんやりとしては、ときにハッとして。ふるふると頭を振り、目の前のイラストへとまた集中する。 そうしてまた少ししてから。「…」 少し...
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未来へ続く物語の記憶 August-IV

交流武術会&男子女子会プロローグレグナリアス抜きで一旦男子のグループ作っといて……よしレグナ相談があるんだけどいい?ウリオス? 旦那はいないのかい?レグナうん、理由もあとで話すよ。とりあえず未経験歓迎、経験者優遇で結なんだバイトか?レグナい...
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未来へ続く物語の記憶 August-III

カレンダーを見て、数字をたどって行って、思う。「…一年、経つんだねー…」「何が」「療法…」 カレンダーからリアス様を見上げて言ったら、こっちを見た紅い目は納得したようにうなずいて。 隣同士で座ってるのから、リアス様はわたしを自分のひざに乗せ...
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未来へ続く物語の記憶 August-II

フルメンバーでお菓子パーティー!愛原邸にやってきましたクリスティアおかしいっぱい…♩ウリオスたんと食べな嬢ちゃんっクリスティアうんっルクパーティーって言ったから……お菓子作ってきた……美織わぁ本当に!? ってクオリティ高いわね!?レグナ一応...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

その”楽しい”の中に、あたしはどのくらいいるんだろう

「……だめかもしれない」 突然呟くから、そっちを見た。 視線の先には、机に突っ伏したシオン。その表情は見えなくて。「何がかしら」「今の子」 聞いたら、答えが返ってきたから。あぁまたかとその先は聞かなかった。目を本に戻して、文字に目を走らせる...
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未来へ続く物語の記憶 August-I

恋人の冷えた体温は、愛おしいと思いつつ。 ときおり、ぞっとすることがある。「……」 夏に弱い恋人のため、クーラーが切れることのない寝室。 日が昇るのが早くなって、閉じた瞼に少しずつ光が映ってきたのを感じて、目を開ける。 腕の中には小さな恋人...
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