クリスティアに物語を聞かせてもらう

クリスティアに物語を聞かせてもらう

未来へ続く物語の記憶 September-II

昼休みが終わりに近づいてる水曜日のHR前。 前回送ったメッセージに未だ既読が付かないのを確認して。「炎上くんの顔が日々死にそうなのだけど」 まだざわざわする教室内で聞こえた道化の声に、アシリアさんとのメサージュを閉じて顔を上げた。 口は笑っ...
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たくさんの幸せを一緒に経験して、君といつか

「一日があっという間なんだよね~」 そう言う親友の言い方が、ものすごく残念そうで。うたた寝しそうな陽気の中、なんとか目を開けて隣の親友を見た。 その親友はときどき色が変わる爪をいじりながら、それ以降黙る。それに、数回眠気を覚ますよう瞬きをし...
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未来へ続く物語の記憶 September-I

月の始めに土日が入ったから、ほんのちょっとだけ長かった夏休みが終わって。 九月。 今月は、文化祭。きっとエイリィとセフィルも来て、去年よりももっとわくわくな文化祭が来る月。 でも、そのわくわくの前に。「わたしはきっと負けてしまう…」「が、頑...
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未来へ続く物語の記憶 August-VII

肝試し!チェックは問題ないということでやって来ました祈童家ユーア日本のお屋敷ですっ結おおげさだよ。日本家屋というなら木乃先輩や蛇璃亜の方がすごいんじゃないか?武煉うちもたいして広くないですよルクぼくも……ティノここお金持ちしかいないなぁ……...
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未来へ続く物語の記憶 August-VI

ポンっとスマホの通知音が鳴る。 膝の上で本を読んでいるクリスティアを抱えつつ、自分で読んでいた本は置いてスマホを取った。 画面を開けばメサージュが入っていて、送り主は祈童。「写真を送信しました」というポップアップをタップし、ロックを解除して...
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未来へ続く物語の記憶 August-V

夏休みのメインとも言えるエシュトの行事・交流武術会を終え、今年の夏も終わりへと差し掛かってきた、八月最後の日曜日。 我々双子は今日も今日とてクリスティアとリアスのお宅にお邪魔させていただいており。「合ったー」「だいぶ仕上がってきましたねぇ」...
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そのあとしっかり叱られた

「なんか戻り気味だね」 親友の言葉に、そちらを見ることはなかった。見るのは、愛しい恋人。 少女のような恋人は、ぼんやりとしては、ときにハッとして。ふるふると頭を振り、目の前のイラストへとまた集中する。 そうしてまた少ししてから。「…」 少し...
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未来へ続く物語の記憶 August-IV

交流武術会&男子女子会プロローグレグナリアス抜きで一旦男子のグループ作っといて……よしレグナ相談があるんだけどいい?ウリオス? 旦那はいないのかい?レグナうん、理由もあとで話すよ。とりあえず未経験歓迎、経験者優遇で結なんだバイトか?レグナい...
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未来へ続く物語の記憶 August-III

カレンダーを見て、数字をたどって行って、思う。「…一年、経つんだねー…」「何が」「療法…」 カレンダーからリアス様を見上げて言ったら、こっちを見た紅い目は納得したようにうなずいて。 隣同士で座ってるのから、リアス様はわたしを自分のひざに乗せ...
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未来へ続く物語の記憶 August-II

フルメンバーでお菓子パーティー!愛原邸にやってきましたクリスティアおかしいっぱい…♩ウリオスたんと食べな嬢ちゃんっクリスティアうんっルクパーティーって言ったから……お菓子作ってきた……美織わぁ本当に!? ってクオリティ高いわね!?レグナ一応...
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その”楽しい”の中に、あたしはどのくらいいるんだろう

「……だめかもしれない」 突然呟くから、そっちを見た。 視線の先には、机に突っ伏したシオン。その表情は見えなくて。「何がかしら」「今の子」 聞いたら、答えが返ってきたから。あぁまたかとその先は聞かなかった。目を本に戻して、文字に目を走らせる...
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未来へ続く物語の記憶 August-I

恋人の冷えた体温は、愛おしいと思いつつ。 ときおり、ぞっとすることがある。「……」 夏に弱い恋人のため、クーラーが切れることのない寝室。 日が昇るのが早くなって、閉じた瞼に少しずつ光が映ってきたのを感じて、目を開ける。 腕の中には小さな恋人...
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未来へ続く物語の記憶 July-VI

やさしい声が聞こえる。「――」 それといっしょに、とんとんってやさしく体を叩かれて。「――ア」 たまにゆさぶられて。「クリスティア」 その声がはっきり聞こえてきて、自然と目が開いた。「んぅ…?」 ちょっとだけぼんやりする視界の中、うろうろ見...
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未来へ続く物語の記憶 July-V

結婚式の前日。フランスでは、新郎新婦はそれぞれ自分の家族と過ごすのが一般的である。どちらかというと家族大好きなエイリィも、その一般的に倣ってこの前日はクロウ家で過ごすことになるんだが。「逢いたかったよクリス~!!」「んぅー…」 血の繋がった...
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そういうところがかわいいってどうしてわからないんだろう

「炎上君のほんとの日本名って离憂っていうんだね」 そうこぼせば、書類を書いていた炎上君はこっちを向いた。一瞬だけ目が合ってから、彼はもう一度書類に目を落として、「そうだな」と頷く。 その視線の先には、役所に提出する書類。 俺が先に書いてて、...
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未来へ続く物語の記憶 July-IV

待ちに待った夏休み。今年はみんなでいっぱい遊んで、できたらリアス様とももうちょっとスキンシップをがんばりたい、そんな夏。 ただその夏の前に。「着替えは大丈夫…」「タオル系は向こうのを使うだろ」「当日の服はレグナたちが持ってくれてて…」「他に...
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未来へ続く物語の記憶 July-III

リアスの誕生日を一度四人でお祝いし、週が明けた月曜日。 今週からテストですね、なんて話しながら歩く学園内。自習期間となったので生徒もいろんなところで見かける穏やかな日。 ゆったり、今日テストでないメンバーがいるであろう食堂へ四人で歩きながら...
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こうして振り回されることも、どこかで悪くないと思っている自分がいた

「テレポート機能を、なくしませんか……」 とある運命の日。 生界で死した愛し子の天使の一人である、オッドアイの女の子は来るなり言って来た。「……理由を聞こうかカリナ?」「聞いてくださいます!?」「聞かないと対処のしようもないからね」 今日死...
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未来へ続く物語の記憶 July-II

七月は、三月とか十二月と同じでイベントがたくさんあると思う。 みんな大好き夏休み、ちょっと大変なテスト。そして。 大好きなヒトが、生まれた日。「おはよ…」 この時期はリアス様に起こしてもらわなくても目が勝手に覚める。「自分の誕生日が近いから...
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未来へ続く物語の記憶 July-I

目を開ければ、懐かしい空間が広がっていました。 少し古めの木でできた部屋、薄い布団。《……》 そして、大好きだった赤紫の瞳のあなた。 あぁ夢ね、なんてすぐわかる。「……あのとき思い出したからですかね」 小さく笑って、あなたが座る床へと近づい...