クリスティアに物語を聞かせてもらう

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未来へ続く物語の記憶 December-I

朝起きて、腕の中で丸くなっている愛しい恋人を起こす。いつもなら可愛くうなりながら抵抗をしてくるけれど、今日はすんなりと飛び起きて。おはようと交わしてから、すぐさま彼女はカレンダーを見にリビングへ走っていく。今日の日付を確認して、何千年も見慣...
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このかけがえのない一瞬を、大切に歩もう

にぎやかな勉強会を終え、十一月も最後の日。 学校が終わった放課後。帰り道、もう冬ですねと息を吐きながら言えば。「寒いわねぇ」 いつもの上級生ではなく、眼帯をした紫色の上級生が、頷きました。 武煉先輩と陽真先輩が修学旅行に行き、早最終日。これ...
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また逢う日までさようならシリーズ

「……別れたい……?」 目を見開いて反復する言葉に、頷いた。 四人で新たな村に来て二年近く。 その間、たくさんのことが変わった。嫌なことを言う人たちもいなくなったし、クリスティア以外に友達もできたし。 恋人も、できた。 オトハ=クルーシュト...
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その先に、少しでも心休まる日々が訪れることを願って

武闘会二次予選も残りあと三日。我々幼なじみはまだ全員出ていないということで、少しだけ緊張が増していく日々。 そんな日々の中での、最近の癒しは。「龍がいじわる…」「お前が思わせぶりなのが悪い」 我らがカップルの、ちょっとした進展話。 行動療法...
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終わりのない人生の中で、何度もそれは形を変えながら訪れる

十一月に入ってからのお昼休みは、少しだけ緊張が走る。 スマホがピロンと鳴れば、それは本日行われる第二予選メンバーの発表メールのお知らせ。 食事を中断し、レグナとリアスと三人揃ってスマホを見ると。「……あら」 メールには二人の名前が記載されて...
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ハロウィン短編

ソファに寝転がりながら本を読む。 あぁ中々興味深いなこれはと、ページをめくろうとしたところで、いつものごとく横に気配を感じた。「トリック バットー…」 ひとまず怪我のないよう、読みかけの本だけは頭の横に移動させて、「トリートっ!」 飛び込ん...
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また新たな試練がやってくる

クリスティアと共に療養で過ごした三連休が開けて、月曜日。本日から第二予選、そして参加者が大幅に減ることにより今月からまた合同演習が再開と少しせわしない日となるのだが。「……」「『……』」 ただでさえ第二予選からは対戦者が当日発表というだけで...
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龍刹シリーズ短編

入学したエシュト学園で同じクラスになった炎上君は、とんでもないイケメンで有名だ。 顔よし頭よし運動神経だってよし。多分一年生の女子は、どんなに低く見積もっても誰もが一回は気になる人くらいにはなったはず。 当然そんな人に彼女がいないわけがなく...
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試練を乗り越えたなら

熱を出す理由は生物様々である。 風邪やインフルエンザとかのウイルスが入って出るタイプ、患部に熱を持ってしまって出るタイプ。あとは疲れやストレスで出るタイプ。たくさんあるんだけれど。 親友は、体を魔術でコントロールしているので風邪を引くことは...
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2023ハーフアニバーサリー短編

大好きな親友に食べ物を渡すと、必ず言うことがある。「カリナ半分する?」 嬉しそうにそう言うから、かわいくて。より喜ぶ、「半分」を選ぶ。「お願いしますわ」「♪」 頷けば、やはり心底嬉しそうに微笑んで。渡したお菓子を半分にして私に渡してくれた。...
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愛のご褒美は、きっとつかの間

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立ち向かう勇気を持って、僕はまた剣を取る

十月十八日、水曜日。 わたしが、武闘会に出場する日。《笑守人学園武闘会、第一リーグ。十月十八日の回の出場者はすみやかに演習場バトルステージへお越しください。繰り返します──》 まだ誰もいないスタジアムをぼんやりながめてたら、集まってっていう...
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その一瞬のひとときのために、僕は勇気を振り絞る

盛り上がった文化祭を終え、振替休日で体を休め、またいつも通りの日常が始まる──。 かと思いきや。「それでは、今月から行われる武闘会について説明していきますね~」 エシュト学園では、休む間もなく次の行事が行われるそうです。 我らが担任、江馬先...
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君の勇気を、僕はいつだって愛してる

行事やイベント事の前後は、普段浅くしている眠りがもっと浅くなる。 行事前は、何が起こるかわからないという不安から。 行事後は、当日抑えていた不安や恐怖が溢れてくるように。 そうしてそういうときに限って。 嫌な夢ばかり見る。 気がつけば、真っ...
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ジューンブライド短編

カノジョと過ごした三百六十五日。 たった一度きりの、六月。 その、姿は。 きっと、ずっと。一生忘れない。「ジューンブライドだってよ」 六月中旬、真っ昼間。 いつもの四人、授業を仲良くサボって歩く街中。夜になると着く街灯の一本一本に吊されてる...
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この努力の先には、きっと笑顔だってあるはずだから

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わたしの世界には、あなただけいればいい

自分が”一番”にいない世界は、何千年ぶりなんだろう。「…」「炎上くん、これ見てくれる?」「あぁ」『ねぇサイズこれで合ってるかな?』「着てみる」 遠くにいるのに、近くに聞こえる声。 目の前の看板をやっているはずなのに、どこかぼーっとしながら、...
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笑顔のために

「どうしましょうか」「テーマは男子も入れるファンシーだったね」「そうなのよー」 三連休を終えた火曜日。「波風くんはどんなのだったら入りやすい?」「えぇ、俺?」 向かいの道化に聞かれては考えてはみるけれど、正直ずっと妹やら隣の親友と生きてきた...
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この努力は、いつになったら報われますか

ベッドの上に座らされて、手よりもあったかいのが、わたしの指先に触れる。 いとおしそうに、「愛してる」って言わなくても、それだけで伝えてくるように。 王子様みたいにひざまずいたリアス様の唇が、爪に触れて、ほんの少し上がって、指に触れて。「ん…...
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努力の先にあるもの

「…」 九月六日、水曜日。五時間目はホームルーム。 席替えをして、時間の最後らへんに渡されたプリントに、目を落とす。 ”エシュト学園文化祭” もりぶち先生のかわいい絵と一緒に描かれた文字。 文化祭の出し物アンケートのプリント。 ホームルーム...