クリスティアに物語を聞かせてもらう

クリスティアに物語を聞かせてもらう

この狂気は、きっと努力の賜物でもある

休み明けとはなんとも憂鬱なことか。「……」 チャンネルを回せど回せど、出てくるものは新学期で会社だ学校だと外出を促す内容ばかり。「……」 挙句の果てには。《ハイゼル氏はこの度――》「二度あることは三度あるみたいなものか……」「なにがー…」「...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

いつかの君と、今度こそ笑い合えるように。

旅行を終え、交流武術会を終え。ばたばたとしていた気持ちもようやっと一段落した、八月最後の週。「……」 涼しい室内。膝に少し体温の低い恋人が頭を乗せてさらに心地良いリビングで、手に持った小説のページをめくっていく。 文字に目を走らせていれば、...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

未来なんて、誰にもわからない

「ではこれでこの件はよろしいでしょうか?」『すまねぇな嬢ちゃん!』「助かります、ありがとうございます……!」 お礼と共に去っていくウサギのビーストと女性を見送り、息を吐く。 さて一段落しましたし私も帰りましょうかと、南地区へと続く通路を歩き...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

この思い出をアルバムに詰めておこう

お昼に最後の遊泳を楽しみ、待ちに待った夜。「さぁ、それではご説明から参りましょうか」 お風呂には入らず、私服にて月明かりでなんともロマンチックな浜辺へやって参りました。 目的はもちろん。「この花火──光花火についてなんですけれども」 昨日の...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

いつか来る別れの時に、寂しくないように

クリスティアに物語を聞かせてもらう

楽しさの中に、ときに悲しさも忍ばせて

愛しい恋人のためにと、包囲されたのもあるがなんとか頑張って頷いた旅行。 四日目にして、正直とても気が気じゃない。 来た日は車にはまぁ酔ったが別に問題なかった。この一週間は基本海やプール。濡れている肌は風呂で、水着は下着で見慣れているし、言っ...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

振り返ると、こんな日々もあったと笑う

海の定番の口上と言えば、青い空、白い雲。 漫画やアニメでよくある風景ですよね。 けれど現実はそう甘くなく。「…灰色の空…」「薄暗い雲だな」「さすが大荒れ直前」 そんな都合良く素敵な風景を拝めることはなかった。 旅行三日目、本日は予定通り海に...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

この夏の日々は、きっとまた一瞬で

夏休みも中盤へとさしかかった八月十四日。まだまだ暑い日が続き、正直ゆっくりとしていたい中。「……毎度の事だが山に篭もりにでも行くのか?」 蝉のビーストが主に求愛をするために鳴く外での第一声はそれしか出なかった。 だってそうだろう? ゴールデ...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

これは、彼らを知る物語

クリスティアに物語を聞かせてもらう

離れていても、”君がいたら”と想う

「…」「……言っていた割には元気そうじゃないか?」「…うん」 夏まっただ中の笑守人学園。恋人様と、花壇の前で二人して首を傾げる。 カリナとレグナがフランスに行って、ちょっと。 夏だからなるべくこまめにお水上げなきゃってことで、二人がいない間...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

あの頃の苦しみも、すべて今の笑顔に繋がっていますように。

夏。 夏と言えば、真っ先に上がるのはやはりプールや海という水辺で遊ぶもの。 水着で開放的になり、思わず想いをぶっちゃけてしまったり。 気になる子の水着姿を他の人に見せたくなくて、自分の上着を着せたり。 どっちにしても、恋人や好きな人がいる人...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

わたしはあなたのすべてを見たい

待ちに待った、夏休み。「…ねーぇ」「ん」 朝。大好きな人と、二人きり。「ね、くるし…」「ん……」 ベッドの、上。 いつもより甘い、恋人様の声。「リアス、さま」 自分の声も、ちょっとだけ、たどたどしい。 それもそのはず。「ね”ぇもうちょい”力...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

世界の平和は、きっと私の手にかかっている

「炎上君たちの班はどうしましょうかね~」 さぁやって参りましたわ護衛テスト。エシュト学園から少し離れたところの会場に車で移動し、十一時少し前に到着。”エシュト学園生徒用”と看板が出ていた部屋に行くと、担当の江馬先生が迎えてくれました。 以前...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

準備万端。すべては共に楽しむために。

みおりたちとプールで遊んだ週の、金曜日。 自習期間は、自分の勉強になるならなにしてても、どこの教室にいてもいいって言われたから。「これー…」「ん」「私はこれで」「龍これも」「お前達は自分でやれ」 今日は、四人でエシュトの図書館に来た。 演習...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

このチームワークは、いつかのためになるはず

クリスティアに物語を聞かせてもらう

わたしのすべては、あなたのもの。

振り返ってみると楽しかった体育祭を終えて、土日を挟んで七月最初の登校日。 体育祭ではぎらぎらした目にびっくりしたけど、武煉先輩たちのおかげでこれからも静かなんだよねと、七月ということで衣替えした生徒たちで溢れる通学路を歩いていく。 一応まだ...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

君の日々が、少しでも色鮮やかさを取り戻せますように

《優勝はめでたく青組と決まり──》「いやぁ、ワリィコトしちまったな」 すべての演目が終わり、閉会式。 司会の方が成績発表を行っていく中、私の隣に座る陽真先輩が珍しく本当に申し訳なさそうに言いました。彼の隣にいる武煉先輩も、申し訳なさそうな声...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

魔王、再臨

「すげーなんか歓声聞こえた」「あのモニターで見りゃわかんだろ、なにしてんだオマエんとこのチートクンは」「随分ご機嫌のようだね」 リアスが最後に駆り出されていったので、クリスティアのミッション遂行走を先輩方と見ていた。ラスト出るのとかあいつら...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

いつか言葉を失っても、あなたには届くはず

「私はそれほどまで信用なりませんかね」「くじ引きで遠くなった場合どうするつもりだ」「あなたはほんとにもう……」 リアス様にあきれて、カリナはため息をついた。 リアス様と上級生で双子の演目を見たあと、妨害守護合戦から帰ってきた双子も合わせて六...
クリスティアに物語を聞かせてもらう

巡り巡っても、変わらぬ想い

「あっちゃぁ、華凜負けちゃったか」「他走者が全員男で二位というだけすごい方だろう」「華凜ちゃんも足速ぇなぁ」「うちでは遅い方だよ…?」「マジかよほんとチート」 カリナがマラソンの方に行って、しばらくして戻ってきたリアスとクリスティアと、一緒...