クリスティアに物語を聞かせてもらう

クリスティアに物語を聞かせてもらう

準備万端。すべては共に楽しむために。

みおりたちとプールで遊んだ週の、金曜日。 自習期間は、自分の勉強になるならなにしてても、どこの教室にいてもいいって言われたから。「これー…」「ん」「私はこれで」「龍これも」「お前達は自分でやれ」 今日は、四人でエシュトの図書館に来た。 演習...
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このチームワークは、いつかのためになるはず

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わたしのすべては、あなたのもの。

振り返ってみると楽しかった体育祭を終えて、土日を挟んで七月最初の登校日。 体育祭ではぎらぎらした目にびっくりしたけど、武煉先輩たちのおかげでこれからも静かなんだよねと、七月ということで衣替えした生徒たちで溢れる通学路を歩いていく。 一応まだ...
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君の日々が、少しでも色鮮やかさを取り戻せますように

《優勝はめでたく青組と決まり──》「いやぁ、ワリィコトしちまったな」 すべての演目が終わり、閉会式。 司会の方が成績発表を行っていく中、私の隣に座る陽真先輩が珍しく本当に申し訳なさそうに言いました。彼の隣にいる武煉先輩も、申し訳なさそうな声...
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魔王、再臨

「すげーなんか歓声聞こえた」「あのモニターで見りゃわかんだろ、なにしてんだオマエんとこのチートクンは」「随分ご機嫌のようだね」 リアスが最後に駆り出されていったので、クリスティアのミッション遂行走を先輩方と見ていた。ラスト出るのとかあいつら...
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いつか言葉を失っても、あなたには届くはず

「私はそれほどまで信用なりませんかね」「くじ引きで遠くなった場合どうするつもりだ」「あなたはほんとにもう……」 リアス様にあきれて、カリナはため息をついた。 リアス様と上級生で双子の演目を見たあと、妨害守護合戦から帰ってきた双子も合わせて六...
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巡り巡っても、変わらぬ想い

「あっちゃぁ、華凜負けちゃったか」「他走者が全員男で二位というだけすごい方だろう」「華凜ちゃんも足速ぇなぁ」「うちでは遅い方だよ…?」「マジかよほんとチート」 カリナがマラソンの方に行って、しばらくして戻ってきたリアスとクリスティアと、一緒...
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備えもできず、憂いも増す

「……撃破しましたよね」「したね」「捕縛ですよね?」「捕縛だね」 捕縛走が行われる場所から少し離れた人工芝に腰を下ろして幼なじみカップルの勇姿を見ていました。運命というものなのかリアスとクリスは一緒だそうで。足の速さだったらやっぱりクリスが...
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人の世は、いつか為になることばかりだけど

《選手宣誓、私たち笑守人学園の生徒は、この体育祭を通し、より一層人々を笑顔に出来る力を身につけると誓います》 雲一つなく、よく晴れた体育祭当日。正直雨よ降れと思ったが願いは通じず。笑守人の生徒は動きやすい服装に、各チームのハチマキを任意の場...
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人生初、学園不良体験

「では今月末、六月三十日に行われる体育祭について説明をする」 梅雨の割には雨が少ない日が続く六月中旬、クラスHRの時間。俺たち一組の担任・杜縁先生が全員に紙を配り始めながらそう言った。「まず、笑守人学園での体育祭は一般でやっているような体育...
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2023主人公組バースデーシリーズ

誕生日は、矛盾した自分を許す日だ。「……」 逢いたいのに逢わない。幸せを願って遠ざかって。 いつもはその矛盾した自分を許せないけれど。 今日だけは。「お」 毎年決まった矛盾した想いを手紙に綴って、家を出る支度をする。 時刻は三月三日になる手...
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少し騒がしくなった僕らの日常

この世界には、「地区」、というものがある。 大きく分けられた種族が争いを起こさないようにと引かれた規制線でできた区域のことで、主にその街の中心地──ここでいうならば笑守人を中心に、八つの地区がある。 東西南北にはヒト型が住み、間の北東、南東...
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変わらない日常、けれど変わっていく運命

楽しくてあっという間なゴールデンウィークが開けて。 学校に行くと、余韻に浸る間もなく本格的に授業が始まった。 クラスのみんなは授業に追いつくのに必死らしくて、始めの週だけでも疲れた顔の子が出てきてたけど。わたしとリアス様が取ってるのは実技授...
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狂気発作シリーズ

紅を見る。 じっと見つめたら、こっちを向いて。「どうした」 やさしく声をかけてくれる。 それに、手を伸ばして。「あか見てた」 そう、言えば。「そうか」 笑って、ほっぺに伸ばした手をゆるしてくれる。 ――あたたかい。 この中にも、紅がある。 ...
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輝きは、時に濁りを宿して

ゴールデンウイーク最終日。 今日は、午前にまだ残ってる罰ゲームやって、午後にごほうびタイム。 ”一日○○”とかは、半日に変更。残ってるって言っても罰消化の日にある程度終わってるから、昨日のチェスで追加になったカリナとレグナの分と、わたしの残...
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さぁ勇者よ、剣を取れ

やっとメイド服が脱げた……。ズボンってすばらしいなと思いながら迎えたゴールデンウィーク四日目。 持ってきたもので残ってるのはチェス。時間もかかるだろうと先に昼飯を食べて、いつものようにリビングに座った。ただ今日は円を描いてではなくて──。「...
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狂気シリーズ

”紅は血の色、だめな色”。 みんながこわがる悪魔色。 でも、わたしにとっては、初めて”わたし”を見てくれた、大好きなあなたの色。 そんな”紅”に埋もれて眠れたら、わたしはどんなに幸せなんだろう。「りーあーすーさーまっ」「っと」 大好きなヒト...
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巡り巡る、日々の行い

しまった。本当にやらかしましたこれはいけない。 自分の罰カードを見て、ちょっと時間を戻したい衝動に駆られてます。 リアスとクリスティアのためになるかなと思った罰カードを自分で引いてしまった。 朝からゲーム大会で盛り上がり、四回戦を終えた頃に...
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工作員に新たな仲間が加わりました

泊まり会二日目。 いつも通り日の光を確認してから目を開け、六時頃から順に起き始めた双子を見届けて。八時頃、最後に起きたクリスティアに朝飯を食わせてからリビングに集まる。 俺の目の前にレグナ、右にカリナ、左にクリスティアと座り、真ん中には朝飯...
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輝く日々の行く末は、希望か絶望か

五月二日、夜。学校を終え、クリスティアと食事を済ませ家で待機していると、インターホンが鳴った。後ろに彼女を引き連れて出迎えようと扉を開けると。 決して一週間弱の泊まりでは必要ないであろう荷物を携えた双子が立っていた。 「……山に籠もりにでも...