感想「夢の世界で会いましょう」
志貴零です
不定期&低頻度にやらせてもらっている感想企画、お久しぶりに。
今回はからっこ様(@koronkoron1104)の「夢の世界で会いましょう」を読ませていただきました!
からっこ様の作品はこちら
あらすじは、レイさんという魔法使いの青年のちょっとした気まぐれから、さまよっていた少女、ハジメさんが夢の世界へと滞在することになり、二人でその夢の世界を旅するお話。
絵本を思わせるような言葉遣いが特徴で、たくさんのきれいな言葉、表現で綴られている文章です。
お話としては妖精の回、トレニアさんのところのお話が好きでした。
切なく背負うものがありつつも、日常のかわいらしさに頬が緩みました!
穏やかな世界でくまさんともお会いしたかったです。
人魚のお城に行く第四章での切ない終わりだけでなく、物語全体に様々な切なさがあったように思います。
鳥の双子さんとお人形さんの恋愛模様であったり、最終章でのレイさんとハジメさんの別れももちろん。
個人的には、虫の蜂蜜漬けが少し切なく思いました。もしかしたら思い違いなんでしょうけども……!
羽、または翅のついたものは全て虫だという旦那さんのお言葉や、ハジメさんが選んだひとつの蜂蜜の瓶は、どことなく、出会った小さな友達を思わせました。
ハジメさんは今まで出会ったお友達を思わせるものをなにかしら必ず持って旅を続けていたので、そう思わずにいられませんでした。
物語は、明確に「答え」というものがそのときには出てこないけれど、文章を読んでいると「きっとこれじゃないかな」と思うような表現でとても楽しかったです。ハジメさんの本当の名前がとくにそうでした。
少し謎解きもしているような感覚で楽しかったです!
章が変わる度の冒頭に、お二人のこれまでの旅を記されているのですが、ぜひその物語も読んでみたい!と思うようなものばかりでした。
絵本のような、読み手に語りかける地の文が「そんな話もあったんだ!」とわくわくします。
五章でのフィルムでの振り返りも、状況がよろしくはないところですが一年間を振り返っているようで面白かったです。
夢の世界での様々な住人も好きでした。
おばあさんだったり若かったり、いろんな猫がいたり、道をゆく住人も個性豊かで、想像するのが楽しかったです。
そして家も!
レイさんの家がとくに大好きでした!
家自身が気分で内装を変えるというのがとても好き。毎日楽しめそうな感じがして住んでみたいと夢が膨らみます!
朝起きるのが楽しみになりそうです。
レイさんの魔法の使い方も好きでした。
手を鳴らしたり、ときには言葉だったり。本当に「魔法使い」というような感じで。レイさんが日常で魔法を使うのがとくに好きでした。
物語が進むにつれて二人の関係性が友情として密になっていくのも嬉しかったです。名前を呼び合うようになったり、心遣いがたくさん見れたり。とくに後半になるにつれてレイさんの優しさがたくさん見れて頬が緩んでいました。
きっと別れは互いに辛かったのだろうけども、約束が果たされるのを信じたくなるような物語でした。
二人がまた笑顔で会えますように。
素敵な時間をありがとうございました!