また逢う日まで

未来へ続く物語の記憶

人生初、学園不良体験

「では今月末、六月三十日に行われる体育祭について説明をする」  梅雨の割には雨が少ない日が続く六月中旬、クラスHRの時間。俺たち一組の担任・杜縁先生が全員に紙を配り始めながらそう言った。 「まず、笑守人学園での体育祭は一般でやっているような...
僕らの思い出

狂気発作シリーズ

紅を見る。  じっと見つめたら、こっちを向いて。 「どうした」  やさしく声をかけてくれる。  それに、手を伸ばして。 「あか見てた」  そう、言えば。 「そうか」  笑って、ほっぺに伸ばした手をゆるしてくれる。  ――あたたかい。  この...
未来へ続く物語の記憶

変わらない日常、けれど変わっていく運命

楽しくてあっという間なゴールデンウィークが開けて。  学校に行くと、余韻に浸る間もなく本格的に授業が始まった。  クラスのみんなは授業に追いつくのに必死らしくて、始めの週だけでも疲れた顔の子が出てきてたけど。わたしとリアス様が取ってるのは実...
未来へ続く物語の記憶

輝きは、時に濁りを宿して

ゴールデンウイーク最終日。  今日は、午前にまだ残ってる罰ゲームやって、午後にごほうびタイム。  ”一日○○”とかは、半日に変更。残ってるって言っても罰消化の日にある程度終わってるから、昨日のチェスで追加になったカリナとレグナの分と、わたし...
僕らの思い出

狂気シリーズ

”紅は血の色、だめな色”。  みんながこわがる悪魔色。  でも、わたしにとっては、初めて”わたし”を見てくれた、大好きなあなたの色。  そんな”紅”に埋もれて眠れたら、わたしはどんなに幸せなんだろう。 「りーあーすーさーまっ」 「っと」  ...
未来へ続く物語の記憶

さぁ勇者よ、剣を取れ

やっとメイド服が脱げた……。ズボンってすばらしいなと思いながら迎えたゴールデンウィーク四日目。  持ってきたもので残ってるのはチェス。時間もかかるだろうと先に昼飯を食べて、いつものようにリビングに座った。ただ今日は円を描いてではなくて──。...
未来へ続く物語の記憶

巡り巡る、日々の行い

しまった。本当にやらかしましたこれはいけない。  自分の罰カードを見て、ちょっと時間を戻したい衝動に駆られてます。  リアスとクリスティアのためになるかなと思った罰カードを自分で引いてしまった。  朝からゲーム大会で盛り上がり、四回戦を終え...
僕らの思い出

【2023】小ネタらくがきまとめ

未来へ続く物語の記憶

工作員に新たな仲間が加わりました

泊まり会二日目。  いつも通り日の光を確認してから目を開け、六時頃から順に起き始めた双子を見届けて。八時頃、最後に起きたクリスティアに朝飯を食わせてからリビングに集まる。  俺の目の前にレグナ、右にカリナ、左にクリスティアと座り、真ん中には...
未来へ続く物語の記憶

輝く日々の行く末は、希望か絶望か

五月二日、夜。学校を終え、クリスティアと食事を済ませ家で待機していると、インターホンが鳴った。後ろに彼女を引き連れて出迎えようと扉を開けると。  決して一週間弱の泊まりでは必要ないであろう荷物を携えた双子が立っていた。   「……山に籠もり...
未来へ続く物語の記憶

どんなに強くなっても、敵わない敵もいる

──魔術。  それは魔力を持っているハーフやビーストが扱うことのできる術。けれど、魔力を持っている”だけ”では実は魔術は使えないんです。魔力とは能力を会得し、そして具現化させるための手段となるもの。  私たちは”魔力結晶”と呼ばれる、能力を...
僕らの思い出

小ネタまとめ②

イライラみおりん 地味に結→美織←シオン 美織「……」笑顔でいらいらしてる シオン「……美織ちゃんイライラしてるなぁ……」 結「なんか珍しくないか? というかよくわかるな閃吏」 シオン「付き合い長いしね。あと珍しくもない、かな」 結「そうな...
未来へ続く物語の記憶

脱平和の先にある小さな平和

きれいな景色が好き。お花畑も、夕焼けも、星空も、海の中も。いろんな場所の、いろんな景色が好きだった。 「きれいだね…」  もう何年ぶりかもわからない、この観覧車の中の景色も。 「……悪くはないな」  観覧車から見下ろした景色につぶやけば、隣...
未来へ続く物語の記憶

平和と程遠い僕らの学園生活

運命はいつもいじわる。いじわるで、残酷で。そしてそれは、”変わることなんてない”って、突きつけられてる気がする。  学校のクラス分けとか、あれはまさに運命のいたずらなんじゃないか。  なんで突然、そんな話になるかと言えば。 「…高校一年目は...
未来へ続く物語の記憶

とある双子による予感と工作

リアス様はわたしが寝るまで寝ないし、わたしが起きる前に必ず起きる。なにが起きるのかわからないから、自分が先に眠っちゃうのが不安なんだって。だから必ず傍にいて、眠るのを見守って、起きるのを待つ。  いつからか、なんてもう曖昧なくらい昔から続い...
未来へ続く物語の記憶

とある過保護と自由人による脱平和

ため息を、つく。 「………」  今日配られた、プリント。四月二十九日、土曜日に開かれる一年生の交流遠足会。それをぼんやりながめながら、また。 「どした。プリント眺めてため息吐いて」  それに気付いたレグナが、声をかけてきた。レグナをちらっと...
僕らの思い出

小ネタまとめ①

うちの子に「今どこ?」と聞いたらの話 シチュエーション:お出かけしてたら人ごみに流されたりどっちかがなんか見入っちゃってはぐれちゃった的な。 大体見入っちゃってはぐれるのは雪巴さんと美織。 【女子が聞かれるver】 リアクリの場合 リアス様...
未来へ続く物語の記憶

始まりの日 -To you irreplaceable-

「ねぇいつ契り交わすの?」 「お前はまたその話か……」  雪が積もって、畑の様子を見に行く。その途中で、リアスに聞いた。そしたらこの呆れ顔。 「だって良い歳じゃん」 「数年前くらいにも同じようなことを言っていなかったか?」  言ったねぇと笑...
未来へ続く物語の記憶

始まりの日 -New place-

「告白しないの?」  なんて言われたら、口に含んだ水を吹き出すわけで。  一通りむせてから、それを言い放った奴へと目を向ける。  そいつはにやにやと笑いながらこちらを見ていた。 「…なんだいきなり」 「いやぁ、そろそろ行動仕掛けてもいいんじ...
僕らの思い出

やっと、君の願いを叶える王子様になれる

本のページをめくれば、隣に座る恋人の方からも紙をめくる音が聞こえる。  文へと目を走らせつつ、時折恋人を確認。  本日マンガを読んでいる恋人は、ぱらりとページをめくりながら、真剣にそれを読んでいた。それに微笑みつつ、また自分の本へと目を落と...